リビング用パソコン – 優れた非存在感

 家族用のパソコンとして、数年前からリビングの床にミニタワー型のパソコンを直置きしていたが、突然起動しなくなった。原因はパソコンを制御するための情報を維持しておく回路(パソコン業界ではCMOSと呼ぶ)の電池切れとわかり、マザーボード上のボタン電池を交換すると復旧。しかし、最近はネット時代を反映して、パソコンのインターフェイスも様変わりしたのでこれに対応し、且つ省スペースで静かなパソコンを新調することにした。

 選択肢としてはメーカー製のパソコンも考えられるか、仕様が適当でないのと有象無象のおまけソフトが煩わしくてパス。他の選択肢としてベアボーンキットが有る。これは、自作に必要な主要部品がセットになったもので、実現したい仕様に合わせて必要な部品を用意して組み立てるものだ。幾つかの専門メーカーからベアボーンキットが提案されているが、比較的柔軟性のあるASRock社のものを選び、部品を揃えた。

・ベアボーンキット:ASRock社DESKMEET X300/B/BB/BOX/JP
・CPU:AMD社 Ryzen 7 5700G (ビデオ回路内蔵)
・SSD:KIOXIA社 内蔵SSD 1TB
・DRAM: CFD社 DDR4 3200 16GB×2枚
・CPUクーラー:Noctua社 NH-L9a AM4(薄型静音タイプ)
・内蔵ハードディスク:Western Digital社 8TB
・OS:Microsoft社 Windows 11 Home 日本語版
・ケース用ファン:アイネックス社 静音タイプCFY-120S (後で追加購入)

主要部品

ベアボーンキット(左から、カバー、電源ユニット、筐体とマザーボード)

部品実装前のマザーボード

部品実装後のマザーボード

マザーボード上の部品間配線後に電源ユニットを実装するとほぼ隙間は無い

Windows11のインストール作業

リビングのパソコンディスクに設置したパソコン

 今回始めてベアボーンキットを利用してパソコンを組み立てた。スペースが制約されるので、どの程度の仕様が実現できるのかを見極めること、実装する部品(特に標準化されていないファンなど)がケースに収納可能かは良く事前に検討しておく必要がある。ケース内部が狭く部品が高密度で実装されているので、空冷用の静音ケースファンを追加した。完成したパソコンは場所も取らず、音も静かでまるで存在感が無いが、良く働いてくれる。パソコンを新しくすると気分も爽快になるが、新パソコンへのデータ引っ越しや、ソフトウェアの再インストールはひと仕事だ。数年にわたりサボってきたファイルの棚卸しもこの際…と思ったが、大容量ハードディスが全てを飲み込んでくれた。