シロナガスクジラ - 世界の海の王者

 シロナガスクジラ(白長須鯨)は、ナガスクジラ科に分類される海洋哺乳類。現生の脊椎動物における最大種でもある。大きさは全長30m、体重200tの記録もある。体型は紡錘型で、下顎から腹へ数十本の溝が走る。体色は青灰色で、淡い斑紋が点在し、水中では他のクジラより白く見えるので、日本ではシロナガスクジラと呼ぶようになった。熱帯から寒帯にかけての沿岸や外洋に分布し、冬に低緯度の海で子供を1頭産み、その後極地の近くまで回遊する。大きな体からは予想しにくいが、大量の小さなオキアミを口に含み濾し取って主食とする。天敵は、集団で襲ってくる人間とシャチのみ。高速捕鯨船が実用化されると、シロナガスクジラの鯨油を求めて乱獲が相次ぎ、更に20世紀初頭には、人類は南極にまで捕鯨に行くようになり生息数は激減。そして、1960年代になって漸く全ての海域でシロナガスクジラは禁漁となった。また、世界の海を回遊するシロナガスクジラは、低周波数(10~40Hz)の鳴き声でコミュニケーションを取り合い、150km程先の相手にまで届くようだ。スマホがないと何もできない人間とは大いに違う。体の大きさばかりでなく、潜在的能力も高い。シロナガスクジラは、やはり世界の海の王者だ。

 シロナガスクジラは普段は海中を悠然と泳いでいるが、たまにブリーチングと呼ばれる急角度で水面から飛び出す行動をする。これをテーマにする。海水に濡れた背中の質感がイマイチ。筆で塗ると筆跡が残る。焼成後は余計に目立つ。スポンジで叩きながら塗るべきだった。【2022年制作】