遮光器土偶 - しゃこちゃん復元

 遮光器土偶(しゃこうきどぐう)は、縄文時代の土偶の様式のひとつ。遮光器とは、北方に住むイヌイットやエスキモー族が雪の照り返しから目を守るためのメガネの様なもの。遮光器土偶は遮光器のような大きい目と、豊満な体に描かれた文様を特徴とし、縄文末期に主に東北地方で創られた。最も有名なものは、青森県つがる市亀ヶ岡遺跡出土の愛称"しゃこちゃん"で、現在は東京国立博物館に収蔵され、重要文化財。残念ながら、片足を欠くが、類似の遮光器土偶の中でも堂々としていて表現も繊細だ。最近の縄文ブームにのって、レプリカも盛んに作られている。手元に置いておきたい気持ちは、何となく分かる気がする。

 今回は縄文人の気持ちになって、"しゃこちゃん"を完全復元する。作品が自立できるように両足を太くしたり、遮光器を強調するあまり頭が大きくなったり、繊細な文様が描けなかったり、…と散々な出来だ。結局、現代人は雑念が多く、縄文人にはなり切れなかった。【2018年制作】