トラフグ - 食>毒

 トラフグ(虎河豚)は、フグ目フグ科に属する魚類。日本では、本州中部以南から東シナ海に多く分布。外観は、胸ヒレの近くに紋模様があり、鱗がない代わりに背と腹には小さな棘が密生していて、腹が脹れると棘が立つ。また、鋭いカミソリ状の上下2枚の歯がある。日本では"ふぐに越すものなし"と言われ、魚の中でも最も高級なものとして取引される。しかし、美味いものには毒がある。餌の毒貝から蓄積したテトロドトキシンという毒素を体内に持つ。それでも日本人は"フグは食いたし命は惜しし"と言いつつ、刺身やテッチリ鍋、白子酒、果ては猛毒の白子や卵巣を3年がかりで糠漬けにしたものまで食べる。流石に命は惜しいので、専門のフグ処理者により調理されたフグに限定されるが。旺盛なトラフグの需要に応えて、近年では毒のないトラフグの養殖が盛んになっている。日本人は命を気にせず、フグ料理を堪能できる時代が来るのだろうか。

 フグは身の危険を感じると、口から海水、エラ穴から空気を吸い込み、胃を体の何倍もの大きさに膨らます。フグにはウロコや腹ヒレ、肋骨が無いという特異構造ゆえに出来る芸当で、所謂"フグちょうちん"だ。ポーズはこれで決まり。もう少し、膨らませたほうが良かったかな。【2018年制作】