シャチ -海の食物連鎖の頂点

 シャチ(鯱)は哺乳類で、マイルカ科シャチ属の海獣。餌となる動物が多く水温の低い北太平洋東部、北極、南極の沿岸に生息するが、熱帯を含む世界のあらゆる海域で見られる。肉食性で海の食物連鎖の頂点に立ち、シャチを襲う天敵はいない。群れで協力して狩りを行うので"海のオオカミ"とも呼ばれ、大きなクジラさえも襲う。体長は7m前後、体重約10トンにもなるが、動作は素早く自動車並みのスピードで泳ぐ。また、認知能力や聴覚も優れ、群れの中で音を出してコミュニケーションを行う社会性のある動物でもあり、これが狩りの能力を高めている。また見た目には"海のパンダ"を思わせる白と黒のツートンカラーで良く目立つ。水族館では、良く訓練されたシャチのショーが人気だ。シャチはこの可愛さと、狩りの獰猛さを併せ持つ不思議な存在だ。

 シャチのイメージは鴨川シーワールドのシャチショー。水中でエネルギーを貯め、水しぶきを上げながら、一気に空中に飛び出す。シャチと人間が創り出した夢の舞台。しかし、飼育員さんが退場し、シャチだけの世界になったらどうなるか、凄惨な狩りの場にならないことを願う。【2021年制作】