ヤシガニ - 最大の節足動物

 ヤシガニ(椰子蟹)は、カニでなく節足動物のオカヤドカリ科ヤシガニ属の動物で、地上に生息する節足動物の中では最大級の大きさを誇る。外観は立派で迫力がある。体は硬い甲羅で覆われ、体長は40cm、両手を広げると1mにも及ぶ。インド洋、西太平洋、日本では沖縄や石垣島などに生息。産卵期を除き、ほぼ完全な陸上性。ヤシガニと言えば、ヤシの木に登りヤシの実を落として食べる…と思われがちだが、実際は雑食性で、ヤシの木にも登らない。脱皮を繰り返して成長し、体重は4kg、寿命は50年程度にもなる。高級食材として珍重されるが、個体の生育環境によっては食中毒を引き起こすことがある。食用の乱獲、海岸開発、農作物の食害対策による駆除、交通事故、人為的に移入された動物よる捕食、温暖化による海水面上昇など、人間由来の環境変化にも連動して生息数は減少。沖縄各地で保護条例が制定されている。

 ヤシガニの全身では、大きな鎌や3対に見える脚が大きな割合を占めるので、これが表現のポイント。また、体色は個体により青や青紫、茶色だが、南国に相応しい青とする。しかし、長い触角は壊れやすく根元まで。出来上がった姿を見ると、もう少し鎌や脚を広げると、大きさと強烈さが増したようだ。【2021年制作】