ウナギ - 日本人の大好物

 一口にウナギと言っても日本で扱うのはニホンウナギ。ウナギ科ウナギ属の魚だが、海で産卵と孵化をし、淡水にさかのぼり成長するので、淡水魚と扱われている。しかし、海での生活の場所や生態には未だ謎は多い。それにもかかわらず鰻料理が大好きな日本人は、海で稚魚のシラスウナギを捕まえ養殖をする。養殖の規模が拡大するとシラスウナギが採れなくなり、今やニホンウナギは環境省のレッドリストに登録されている。そうすると、今度は完全養殖の研究が進められている。恐るべし、日本人のウナギ愛。果たして、ウナギは食べられるために生まれてきたのだろうか?

 ウナギと言えば真っ先に思い浮かべるのは鰻重だが、作陶に当たりこれでは絵にならない。ウナギは調理される直前まで桶に入れられ生きている。ウナギは何とか桶から逃げ出したいのではないか。そのシーンをテーマにした。作品の完成後、手が滑って落として割ってしまった。陶器は割れることを思い出した。万能ボンドで修理したが、その痕が醜い。金継ぎにすればよかった。曰く付きのこの作品は、今はペン立てになっている。 【2018年制作】