チョウザメ - キャビアのために身を削る

 チョウザメ(蝶鮫)は、チョウザメ目に分類される魚のグループ。古代魚とされる分類群の1つであり、約2億年前の白亜紀後期の化石が発見されている。蝶鮫と言う名は、長い鼻や尾の形、そして全体の形状がサメのようであり、硬いウロコの形が昆虫の蝶に似ているで命名された。サメは軟骨魚類に属するが、チョウザメは硬骨魚類に属し、系統が大きく異なる。チョウザメは、ユーラシア、北米などの北半球にの川や湖沼の淡水域に生息。日本には、明治まで北海道に生息していたが絶滅。チョウザメは下向きの口とその横にある2対のヒゲで水底にある餌を探して食べる。体長は1~4mになり、寿命は100年を超え長寿だが、成熟に達するまで長い時間がかかるので乱獲に弱い。しかも、チョウザメと言えば貴重な卵キャビアが採れる魚であるため資源が減り続け、いくつかの種が絶滅の危機に瀕している。このため、世界的に保全活動が盛んになってきた。そのためもあり、キャビアや食肉用として、養殖が盛んになった。また、風変りな姿から観賞魚としても人気があり、マニアに飼育されている。

 チョウザメの姿がサメに似ていると言っても、口ひげで獲物を探す習性はナマズやドジョウを連想させ、やはり川の魚だ。そこで口の部分が目立つように頭を上に向けた姿にした。古代から生き延びてきたチョウザメが、人間のエゴで養殖と飼育でしか生き延びられないとしたら、何かおかしい。【2021年制作】