ハイギョ - 魚類か、両生類か?

 ハイギョ(肺魚)は魚類でありながら、肺や内鼻孔などの両生類的な特徴を持ち、そのヒレ(鰭)が肉質になっていてシーラカンスとともに肉鰭魚(にくきぎょ)に分類されている。古代生物の生き残りでもある。現生種は南米、豪州、アフリカの淡水域に生息。姿は地域にとって少し変わるが、概して太めのウナギ形。肉食傾向の強い雑食性。ハイギョの幼体は両生類と同様に外鰓を持つが、成長に伴って肺が発達して呼吸の大半を鰓ではなく肺で行うようになる。このため数時間毎の息継ぎが必須となって、水面に浮上する。その際に天敵のハシビロコウ等の魚食性鳥類に狙われやすい。呼吸を水に依存しないため、乾期でも地中で「夏眠」し、土の中から見つかったりする。特異な生態と謎の多い不思議な魚だ。

 成形にあたっては、太めのウナギ体形と、何と言っても肉質のヒレ。大型魚なので水底を悠然と移動する構図にした。ヒレを肢に付け替えると、確かに魚ではなく両生類に見えなくもない。いや、それは表現力不足のためだろう。【2023年制作】