アカクラゲ - 美しい厄介者

 アカクラゲ(赤水母、赤海月、学名 Chrysaora pacifica)は日本近海に生息するクラゲ。傘の部分に16本の赤褐色の縞模様があり、傘からは数十本の足のような触手が出ている。更に餌を捕獲して口へ運ぶためのヒラヒラの口腕が数本ある。触手には毒があり、刺されると痛くミミズ腫れが出来る。あまり歓迎されない生物かもしれない。しかし、初めて池袋のサンシャイン水族館で見たときは、幻想的な水槽の照明の効果もあるが、ゆっくりした周期で水中を漂う姿は美しいと思った。

 海中に漂うクラゲは陶芸で表現できるのか?いや、出来るようにするにはどうするか。傘の中心に黒子の柱を設け、その周りをゆらゆらした多数の触手で囲み、ヒラヒラの口腕で水の動きを表すようにした。本当は浮遊感を表すため、体が斜めに流れるような形にしたかったが、焼成中に倒れそうなのでやめた。その結果、直立不動のクラゲのこけしが完成した。【2019年制作】