Windows11マシンの組み立て

 
 これまで使ってきたデスクトップPCは稼働後数年が経過した。ユーザーとしてはWindows10の機能に特に不満はないが、CPUのハードウェアの制約でWindows11にアップデート出来ないこと、また画像や音楽データを扱うことが多く次第に記憶容量が限界に達しつつあること、そして最近の新しいインターフェース規格にも対応できるようにWindows11マシンを組み立てることにした。PCの使用目的はデータの編集・加工が殆どなので、必要にして充分な性能をがあり、且つ低電力で静かなPCを組み立てるのが目標である。このため、最新のハードウェアではなく、2年位前に出現して価格もこなれたものを中心に部品を集めた。

【主要部品】
 ・ CPU:AMD Ryzen 7 5700X (65W:低電力版)
 ・ CPUクーラー:DEEPCOOLER PQ650M (静音ファン)
 ・ マザーボード:ASRock B550 Phantom Gaming 4
 ・ ビデオボード:ASUS Radeon RX 550 搭載 PH-RX550-4G-EVO
 ・ SSD:ADATA M.2/2TB
 ・ DRAM:64GB (DDR4 16GB x4)
 ・ HDD:8TBx2 (SEAGATE ST8000DM004 x2)
 ・ OS:Windows 11 Home 64bit (DSP版)
 ・ 筐体(ATX)とブルーレイドライブは、現在のものを流用

 先ず、筐体から古いマザーボードを外し、ハードディスクや電源を入れ替える。最近のマザーボードはCPUと組み合わせるチップセットの機能が充実してきて、マザーボード上に様々な機能を実現できる電子回路が搭載されるようになった。このため、従来は機能追加のため拡張スロットに何枚かの基板を挿入してきたが、その必要性が少なくなり、マザーボードに接続される配線ケーブルも減り大変すっきりしている。新しいマザーボードにCPU、CPUクーラー、SSD、DRAMを装着して筐体に組み込み、各部品間の信号、電源配線を完了。ATX規格は寸法や端子の位置が継承されているため分かり易い。

結線が完了したWindows11マシンの内部

 早速、電源オン!… ピィとブザーが鳴り、ファンが回りだす。やった、ハードは完成!…と思ったが、PC内の各部品とOS間の制御をするUEFI(Unifi edExtensible Firmware Interface)の画面が何か変。下図で赤枠内がUEFIに表示されたDRAMの接続状態で、本来であれば、各スロットに16GB、合計64GBと表示されるところだが、一部しか認識されていない。

メモリの接続状況

DDR4メモリは288ピンもある。メモリ端子とソケットとの接触不良か、またはメモリモジュール自体の不良かを確かめるため、4つのソケットに4本のメモリモジュールをとっかえひっかえ差し込んでいるうちに、何とか導通して全64GBを認識。マザーボードがたわむほどの力が必要で、ヒヤヒヤものだった。

 次はWindows11のインストールだ。ディスクを読み込んだ直後、下記メッセージが現れた。

インストール時のワーニング

これはおかしい。Windows11はセキュリティ対策のため、TPM (Trusted Platform Module)を要求している。TPMは最近のCPUには組み込まれるようになったので、該当するCPUを使えば問題ないはず。この問題をウェブで調べていくと、マザーボードのUEFIを書き換える必要があることが分かった。しかも、TPMに該当する項目名はマザーボードのメーカーによって異なるようだ。ASRock社の場合は、次の2つの操作が必要。

・ UEFIのAdvancedのタブで、AMD fTPM Switch を AMD CPU fTPN にする。

・ 起動の項目で 起動/CMS(互換性サポートモジュール)の CMS を 有効にする。

 この辺の手続きは同じ問題に悩まされた先導者がウェブ上に記事を掲載してくれたので、何とかクリア。しかし、この因果関係は難しく理解には到らず。その後は順調にWindows11のインストールが進み、完了。

 完成したPCは机の脇に置いた。先ず気が付いたのは音の静かさ。これまではCPU付属の小型で高回転数型のCPUクーラーを使っていたので絶えずブーンという騒音が発生していたが、今回は大型低回転数型の静音クーラーのおかげで無音状態に近い。処理速度は、体感的にはそこそこ。多数のアプリを動かしたり、重たい処理をする際には豊富なメモリリソースによりスムーズに動作することを期待している。暫くは楽しめそう。

完成したWindows11マシンの設置