所沢フィルハーモニー管弦楽団第47回定期演奏会 - 市民のオケ
所沢フィルハーモニー管弦楽団は、1978年に所沢市に誕生したアマチュアオーケストラ。所沢市民文化センター ミューズを拠点とした定期演奏会や、年末毎に合唱参加者を募集して演奏される"所沢で第九を"(ベートーヴェンの交響曲第9番)、市内各所で開かれる"音まちファミリーコンサート"、"所沢チャリティーコンサート"などで、所沢市民にはお馴染みの存在になっている。

2026年7月26日に所沢市民文化センターミューズ・アークホールで、第47回定期演奏会が開かれた。プログラムは3曲だが、やや傾向は異なるものの、何れもオーケストラの機能をフルに発揮する広く知られた曲だ。今回の指揮は山上純司氏で、国内の多くの大学や市民オーケストラを指揮され、所沢フィルハーモニー管弦楽団とも既に数回客演している。

最初の曲は、ムソルグスキー作曲の交響詩"はげ山の一夜"で、同時代の作曲家リムスキー=コルサコフが、洗練されたで管弦楽技法によって改訂したもの。ロシアの民話を元にした聖ヨハネの前夜祭をテーマにした4部構成になっており、夜の山に不穏な空気が流れ悪魔たちが集まり、やがて悪魔たちが踊り狂い、遂に魔王が現れ盛り上がるが、夜明けとともに悪魔たちは退散して静けさが戻る。前半は金管や打楽器で狂乱の場面が、後半は一転して静かな場面への移り変わりがメリハリをつけて表現されていた。
2曲目は、ストラヴィンスキー作曲のバレエ組曲"火の鳥"1919年版。この曲は4管編成の全曲版を2管編成にし、且つ聴き処を整理して組曲にしたもので、"火の鳥"のエッセンスが凝縮されている。ストーリーはロシアの民話に基づくためか、"はげ山の一夜"と大同小異のような気がする。構成は、序奏、火の鳥の踊りとそのヴァリアシオン(変奏)、王女たちのロンド、魔王カスチェイの凶悪な踊り、子守歌、終曲と続く。音楽は随分と洗練され、各構成のテーマの表現やそれを支える旋律が透明感を伴いながら演奏されていた。
休憩を挟んで最後は、ブラームス作曲の"交響曲第4番"。ブラームスの最後の交響曲で、美しい旋律はあるものの、音楽は複雑で長大で暗い感情が支配するが、バロック時代の変奏曲形式を取り入れるなど新たな工夫も加え、様々な要素に溢れている。第1楽章は2つのテーマの提示と発展、第2楽章はホルンが活躍して静けさと崇高さを感じさせる緩徐楽章、第3楽章は一転して軽快で舞踏的な活気も感じられるが、最後の第4楽章ではバロック時代のシャコンヌ形式による長い変奏曲で緊張と解放を繰り返し終結に向かう。休憩前の2曲の標題音楽と異なり抽象的な絶対音楽だが、飽くこと無く好奇心を刺激するのはやはり名曲なのだろう。この複雑な音楽に対し、演奏はインテンポで輪郭が際立ち、真摯な表現だったと思う。

アンコールは、ブラームス自身が管弦楽版に編曲したハンガリー舞曲第1番。お馴染みの曲なので、舞台も客席も大いに盛り上がった。所沢フィルハーモニー管弦楽団は、メンバーが約80名。他のアマチュアオーケストラより若い人が多いような印象を受けた。所沢には立派な会場もあるし、事前申込をすれば入場無料とのこと。良いことを聞いた、次も期待しよう。


