シュモクザメ - 不思議な形と習性
シュモクザメ(撞木鮫)は、メジロザメ目シュモクザメ科に属するサメの総称で、英語では "hammerhead shark"。日本語の"撞木"とは、鐘や和楽器の鉦を打ち鳴らす丁字形の道具のことで、共に頭部の形状から命名された。頭部から左右に張り出した先には眼と鼻孔があり、その視野は308〜340度に及ぶ(cf.人間は190度位)。また、この部分には微弱な電気を感知するロレンチーニ器官が分布し、電気的信号で海底の砂の中に隠れている好物の獲物アカエイを感知することが可能だ。また頭部のT字部分を舵取りにも使えるので、その代わりに胸ビレは比較的小さくなったらしい。繁殖に関しても変わっている。シュモクザメは哺乳類のように胎生で、子宮内でへその緒を介して栄養を供給する。更にアメリカの動物園や大学で、雄がいない環境で、雌のサメが単性生殖した例が報告されている。また、シュモクザメは、サメにしては珍しく集団で行動することがあり、大群が川のように流れていく様子は"ハンマーリバー"と呼ばれ、ダイバーの憧れの情景のようだ。人気のある魚なので、国内の大きな幾つかの水族館では、アカシュモクザメが飼育展示されている。
シュモクザメの中で、代表的な存在がアカシュモクザメだ。先ずは頭の造形だ。遠方を眺めている場合は視野が広くてよいが、獲物と格闘しているときは、はみ出した目では状況が分かるのだろうか、そこはロレンチーニ器官の電子センサーが教えてくれるのだろうか…などと想像すると、なかなか要領を得ず一体感が得られない。表面的な形状は似てきたが、怖くもなければ優しくもない。何処に感心して創ったのかたのか分からなくなった。不思議な存在のシュモクザメは、人間に分かってたまるかとと言っている。【2026年制作】







