木造住宅の床鳴り対策 – 微妙な寿命

 建売の在来工法による木造住宅を購入して、間もなく40年。雨風に晒される外壁や屋根は、定期的に補修をしてきたが、室内の構造物の劣化は徐々に進行する。最近、廊下や居間を歩くと、床が鳴り、且つ少し凹む部分が広がっている気がする。このため、今のうちに床の修理をして、晩年は気楽に過ごすことにした。

■床鳴りの原因
 大工さんに来てもらい、症状のチェックをした。先ず、フローリングの上から足で力任せに踏み込み、軋み音が発生したり凹む部分にテープで印を付けた。それから、その部分のフローリングを剥がし、どの様な状態になっているか調べた。

不具合部分(軋み音、凹み)のマーキング

 2階の廊下部分のフローリングを部分的に剥がすと、フローリング材と直角に”根太(ねだ)”があり、その下に根太を支える”大引き”が直交している。これを根太工法と言うらしい。

根太工法による2階の廊下部の構造

 軋み音がする原因は2つある。1つは多層積層板であるフローリング材内部の接着剤が経年変化により剥がれること。もう1つは、根太と大引きは交差部分を釘で接続していたが、経年変化により材木が痩せて釘が効かなくなりたわむようになったこと。後者については、根太と大引きの接続は、釘ではなく木ネジで締め上げ、緩まないようにした。

積層のフローリング材は、内部の接着剤が剥がれ、上からの圧力に弱くなる

■修理方法
 具体的な修理方法としては、軋む部分のフローリング材を根太に掛かるように切り取り、同じ厚さの合板と入れ替え、新旧の板の両端はしっかりと木ネジで根太に固定する。そして、その表面に新しいフローリング材を接着剤で貼り付ける。この結果、新旧フローリング材の厚さはそれぞれ12mmなので、床の厚さは合わせて24mmとなり、踏みつけてもびくともしない程度に強固になった。

根太工法の修理フロー

 一方、1階の居間や廊下の構造は、少し異なる。フローリング材と根太の間に”捨て貼り合板”が設けられている。この目的は、地面からの湿気が直接フローリング材に当たらないようにするためであり、この方式を、”捨て貼り工法”と呼ぶようだ。実際にフローリン材を剥がし、捨て貼り合板が露出した状態を観察してみても、防湿用に作られたためか腐食した部分はなく、しっかりしていた。

捨て貼り工法の床構造

 捨て貼り工法の修理フローも、根太工法のそれと同様に、フローリング材の軋む部分を同じ厚さの合板に置き換え、その上に新しいフローリング材を敷く。

同じ厚さの従来のフローリング材と補強用合板の上に、新しいフローリング材を貼り付ける工程

■工事の効果
 今回の床鳴り対策工事の効果としては、先ず床面が強固になり床鳴りや凹みが消滅したこと、多少ささくれ立っていた床の表面が新フローリング材によってピカピカになったこと、そして予想外の効果としては廊下と居間の間のドアの下部を新フローリング材で覆ったので段差がなくシームレスにつながったこと。また、想定外の出来事もあった。台所に設置していた床下収納庫の扉にも新フローリング材を貼ったので厚さが増し、レバー操作で開閉する際に重くなり力が必要になった。

廊下と居間の床は段差がなくなった

床下収納庫の扉が厚く重くなり、開閉するのが大変

 工事期間は約10日。家具や家電製品を移動しながら領域を区切って工事を進めたので、日常生活は忙しなく、ネットやアンテナなどの配線も取り外したり接続したりし煩わしい。この様なリーフォームは、工事期間中は非日常的生活を強いられるが、結果的には納得できるものだ。少なくとも、何時床に穴が空くか心配する必要がなくなった。住宅を建築した当時の技術で耐久年数が決まるとは言え、今後は住宅建築の基本的な部分は、一生涯維持出来るよう技術の向上に期待したい。