アブラボウズ - 全身トロの高級魚

 アブラボウズ(脂坊主、油坊主)は、カサゴ目ギンダラ科アブラボウズ属の唯一の種。北太平洋、ベーリング海、中部カリフォルニアにかけて分布する寒海性の深海魚で、水深200～600mの岩場に棲息する。肉食性で、小魚や海底の軟体動物などを捕食する。体は長いが丸くて太く体長は1.5m程度になり、若いうちは魚体に白い斑模様が目立つ。身の質は名の通り、全身がトロと言われるくらい脂肪分が多いクセのない白身で、食用としては高級魚として扱われる。しかし、食べ過ぎると脂分を消化しきれず、下痢や腹痛などを引き起こすことがある。また、外観が似ている超高級魚とされるクエに偽装されたこともあった。高級魚ならではのトラブルである。

 アブラボウズはライバルのクエと対比しながら造形すると、イメージが明確になる。クエはやや細身で高さがあるが頭は小さくシャープ(作例はここをクリック)、アブラボウズは全身が丸太のようで頭部はズングリして大きい。そして、アブラボウズには不規則な白い斑模様を追加する。これで、両者の区別は可能だろうか。【2025年制作】