クエ - 食欲をそそる幻の超高級魚
クエ(垢穢、九絵)は、ハタ科アカハタ属の海水魚。西日本から東シナ海、南シナ海沿岸の岩礁に生息する。体長1.2m、体重50kgにもなる大型魚。群れを作らず単独で生活し、肉食性で夜間に魚類や甲殻類を捕食する。雌性先熟の性転換を行うので、大型個体はほとんど雄である。体側には数本の黒っぽい縞模様があり、これがクエのシンボルだが、成長すると模様は次第に薄くなる。クエと言えば、白身の脂の乗った超高級魚として有名で、"クエ食ったら他の魚食えん"とまで言われる。しかし、クエの成長は遅いので天然物の漁獲量は少なく、最近では養殖が盛んになりつつある。沿岸での生け簀による方法の他、陸上での微生物や水質制御技術を利用した様々な養殖法が工夫されており、その成果が期待される。また、太公望にとっては幻の魚であり、クエの人気は釣り人の世界でも高い。
クエが超高級食用魚だとしても、陶芸では表現できない。体の側面にある縞模様と、脂の乗りを想像させる緩やかな曲線、そして肉食性の象徴である大きく鋭い口などがクエの独自な個性だろうか。一度、実際に食べてみると、もっと上手に創れたかもしれない。【2025年制作】






