カエルアンコウ – 変幻自在の釣り師

 カエルアンコウ(蛙鮟鱇)は、アンコウ目カエルアンコウ科カエルアンコウ属の代表種(Antennarius striatus)。地中海と北極海を除く世界各地に分布し、日本でもほぼ全国的に、浅場の砂底、岩場、サンゴ礁などに生息する。カエルアンコウの名は英名"Striated frogfish"(縞模様の蛙魚)に由来するが、旧来は移動方法からイザリウオ(躄魚)と呼ばれていたが、差別的意味を含むので、改められた。アンコウの仲間らしく泳ぎが苦手な底生魚であり、胸鰭と腹鰭で海底を歩くように移動する。普段は待ち伏せして、餌の小魚や甲殻類が近づくと、口の上に誘引突起と先端の擬餌状体(エスカ)を動かして引き寄せ、素早く捕食する。体長は15~20cm程度で、体は球体状、前方に大きな口がある。皮膚は柔らかく伸縮可能で、体色を環境に合わせて変化させることができる。また、体と鰭には縞模様や斑点があったり、眼から放射状に延びる縞模様を持つ個体もある。このため、形態は同一種と思えない程、個体差が大きい。

 変幻自在の形態でも、抑えておくべきポイントは、海底を這いずり回る胸鰭と腹鰭、カエルのような大きな頭と口、柔らかそうな丸っこい体、そしてアンコウらしいエスカだろう。体色は様々な選択肢があるが、可愛い魚なので目立つように魚体は黄色、口や胸鰭、腹鰭、エスカは赤、背鰭と尾鰭は黒で枠取りし、眼には放射状の縞模様。少しやりすぎたかな。 【2025年制作】