マダラ - 北の海に棲む格別な魚

 マダラはタラ科の魚類で、北太平洋の沿岸に生息し、日本では重要な水産資源で、北海道や東北地方で水揚げされる。体色は褐色で、側面にまだら模様があり、これが名の由来とも言われている。体長は1m、体重は20kgにもなる。体型は、頭身は細身だが、腹部が大きく膨らみ堂々としている。背鰭は3つ、しり鰭は2つあり、上顎が下顎より前に出ていて、下顎には1本のヒゲがある。マダラは肉食性で、このヒゲが獲物を感知するセンサーとの説がある。食材としては、旬は冬。脂肪の少ない白身で身は柔らかく、鍋料理やムニエル、フライなどに適している。また、精巣は白子と呼ばれ、こってりとした味で珍重され、寿司ねたなどで生食される。マダラの卵巣は真子と呼ばれ、明太子になるスケソウダラの精巣より大きく、珍重される。
 作陶にあたっては、腹部を膨らませてボリューム感を出し、下顎のヒゲを目立たせ、3つの背鰭を載せる。しかし、側面のまだら模様の表現が結構難しい。美しい魚ではないが、北の海に棲む大型魚の貫禄は表現できただろうか。【2025年制作】