モンハナシャコ - 危険なの海のボクサー

 モンハナシャコ(紋花蝦蛄)は、ハナシャコ科のシャコ。シャコと言えば、エビやカニと同じ甲殻類で、日本人には寿司ネタとしてお馴染み。シャコの仲間の中でも、モンハナシャコは鮮やかな体色、強烈なパンチ、そして高性能な眼が特徴。体長は15cm程度で、日本では相模湾以南に分布。肉食性で典型的な打撃型の狩りをする。普段は畳んでいる前面の捕脚を高速で繰り出し、それによる周囲の海水の急激な圧力差を利用して、貝や甲殻類を叩き割って捕食する。また、獲物を探すためには、頭の上に眼があり、視界は360度、複眼で他の生物では検知できない光も感じるようだ。モンハナシャコは海底に潜む高性能なハードパンチャー形先端ロボットのようだ。
 甲殻類の造形は、陶芸では難しい。細くて長い触覚は作陶や焼成に絶えられないので、根元位までで妥協する。また、モンハナシャコにとって肝の捕脚は強度の関係で小さくした。遠くから見ると、やはりちょっと変。しかし、変な生物でも創ってみたい気持ちが勝る。【2024年制作】