音楽ソフトfoobar2000のトラブル3件

 foobar2000は、Windows用高機能音楽ソフト。1999年にPeter Pawlowski氏によって開発が始められ、現在も機能が追加され続けているフリーウェアであり、事実上のWindowsの標準音楽ソフト。音楽の再生のみならず、CDなどから音楽データの取り込み(Ripping)も可能。多数のプラグインにより機能の拡充を実現している。このため、必要なコンポーネントを集めて動作環境を作り上げる必要があり、ここがやや面倒。数年前から、主にCDをRippingしFLACフォーマットのデータを作り、音楽を楽しんできたが、最近いくつかのトラブルが発生した。

foobar2000の再生画面の例

■Rippingが出来なくなった
 当方の最近組み立てたPCは、foobar2000はv2.1.4、FLACは1.4.3で最新版をインストールした。音楽再生では問題はなかったが、Rippingで"code -1073741515 (0xC0000135)”なるメッセージが出て、FLACファイルが生成出来なかった。

Rippingのエラーメッセージ

これを手掛かりに調べてみると、feee_denshi氏のブログ(ここをクリック)を見つけた。 どうも、FLACは1.4.1以降のヴァージョンを使うと、foobar2000のルートディレクトリにlibFLAC.dll(ここからdownload ) を追加する必要があるらしい。その手順や追加情報は先のブログに詳しい。foobar2000は大変便利なフリーウェアだが、自己責任で利用するので絶えず注意が必要。最終的には、foobar2000のルートディレクトリは下記のようにして、Ripping が出来るようになった。

foobar2000のルートディレクトリ

■出力デバイスの切断
 パソコン作業をしながら、foobar2000で音楽を垂れ流すのが習慣になっている。いつものように再生していると、1時間位で再生が止まり、画面に小さな窓が開き、下記メッセージが表示された。
 "Unrecoverable playback error: 要素が見つかりません。 (0x80070490)"
サウンドの設定を開いてみると、出力デバイスの指定がない状態だったので、再度指定した。最初にfoobar2000を使い始めた際にも、音楽を流し続けるのを前提にしていたので、Windows11の設定→システム→電源→画面とスリープの項目で
 ・電源接続時に、次の時間が経過した後にデバイスをスリープ状態にする:なし
に設定していたが、それがどう言う訳か1時間に変わっていた。これを元通りにすると、今のところ出力デバイスの切断は起きていない。原因は不明だが、エラーコード(0x80070490)が気になる。このコードは、Windows Updateなどの際に起こるシステムエラーのようで、システムファイルの破損を伴うこともあるらしい。影響の範囲が不明なので、取り敢えず対症療法しかしていない。

■BitLocker
 foobar2000のプレイリスト(Playlist)を更新するため、現在のデータを全て削除し、ハードディスクにある新しいデータをPlaylistの加える作業をした。これまでも何度か実施した作業なので、1時間程度はかかるので、パソコンの前から離れ、暫くして戻ってみると、パソコンの画面が前面青く、BitLockerの表示があるではないか。

BitLockerの青画面 (写真撮影していなかたので、おおよそ再現したもの)

 BitLockerとは、ディスクドライブを暗号化して、他のPCに接続しても回復キーが分からないと、内容が見えず、ドライブの紛失や盗難などにも有効的な機能。今回はパソコンも音楽データの入ったハードディスクも使い慣れたものなので、どうも納得がいかない。気になる情報としては、Windows Updateの際にセキュリティ強化のため自動的に組み込まれるようになったとか、2024年5月にBitLockerを悪用したランサムウェアが確認されたとか聞く。家庭内で個人が使用する環境では、BitLockerは無用の長物だ。
 先ず、BitLockerの青画面を消し、パソコンを起動する必要がある。青画面の白抜きのボックスに回復キーを入力する必要があるので、画面中のaka.ms/myrecoverykey をアクセスして、本人確認後に回復キーをもらう。これには別のパソコンかスマートフォン、そしてメールアドレスが必要で、何度かやり取りをした後に回復キーが入手できる。これは6桁の数字が8組になった48個の数列で、これを白いボックスに誤りなく入力すると、漸くWindowsが起動する。起動後即実施することは、このお節介な機能を排除することだ。Windows11の設定→プライバシーとセキュリティ→セキュリティ→デバイスの暗号化でこれをオフに設定する。これで応急処置は完了。

 今回、foobar2000に関して続けざまに3件のトラブルがあったが、原因がソフトウェアやWindowsのアップデート、もしかするとランサムウェアの可能性もあり、なかなか予測や対策が難しかった。今回は、利用環境の変化が起こることも想定しつつ、便利なアプリケーションを利用する心構えを再認識させられた。