カスザメ - 鮫皮のおろし金
カスザメ(糟鮫)は、カスザメ科のサメの一種。太平洋北西部の浅い沿岸部に広く生息し、体長は最大で1.5m程。頭部が大きく幅広いので、エイの仲間に見えるが、胸鰭が頭部と分離し、口や鰓の位置から、サメの仲間に分類されている。背中には褐色や白い斑点があり、海底の砂原に潜む際の保護色になっている。夜行性で肉食性だが、サメにしては攻撃的ではなく、繁殖力も低いため、漁業的には市場を賑わすことはない。ただし、皮は鮫皮のおろし金として知られている。
カスザメの造形の要点は、胸鰭と胴体の接続方法。頭部と胸鰭の境界が分かるように段差をつけ、サメの体をした後方部につなぐため胸鰭の後半分は絞り込む。そして、海底の砂を思わせる褐色と白の斑点を背中全体に点描する。そして、魚体の高さはエイを思わせるように平たくする。これを創っていると、サメとエイの祖先は同じで、カスザメはその進化の過程で出現した派生種のように思える。【2024年制作】



