ウミイグアナ - 強い生命力

 ウミイグアナ(海立髪竜)は、爬虫類の有鱗目イグアナ科ウミイグアナ属のトカゲ。エクアドルのガラパゴス諸島の固有種で、海岸の岩の上などに棲み、主に海藻を食べる。また、海を泳ぐ唯一のトカゲだ。ウミイグアナの身体的特徴は、頭上部には瘤が隆起し、トゲ状のたてがみが尻尾まで続いている。尾は長くて左右に平たく、体をくねらせながら水中を泳ぐのに適している。体表は黒か褐色の鱗に覆われているが、これは日光を吸収し易くしたり、鳥などの捕食者に見つからないよう岩の上では保護色となるため。英国の科学者ダーウィンが"最も醜く不格好なトカゲ"と言ったのも頷ける。近縁種のガラパゴスリクイグアナと比較すると、形は細長くスマートだが、色彩は単調で、地味な印象を受ける。ウミイグアナも、人間による乱獲や人為的に移入された動物の被害を受けながらも生き延びているが、近年エルニーニョ現象による海藻の生育不良が度々起こり、これが種の存続にとって最大の課題になっているようだ。
 作陶に当たり、トカゲが海中を泳ぐ姿を想像すると、泳ぎの原動力は尾の振りであり、泳ぎに寄与しない手足はただ流れに任せてブラブラ。これでは動きに乏しいので、水流を見えるようにして、スイスイと進んでいるようなイメージにした。【2024年制作】