レッドリップド・バットフィッシュ - 赤い唇が命
レッドリップド・バットフィッシュ(Red-lipped batfish)はアンコウ目アカグツ科の海水魚。文字通り赤い唇を持つコウモリのような魚。別名ガラパゴスアカグツとも呼ばれるように、ガラパゴス諸島周辺、及びペルー沖の深さ3~76 mの海に生息。体長は20〜40cm。泳ぎは不得手で、硬く進化した胸鰭と腹鰭を手足のように動かして海底を歩くように移動し、小魚やエビ、カニ、軟体動物等の小動物を捕食する。アンコウの仲間なので、餌を誘引する突起(疑似餌)はあるが太く短くて、役に立っているのだろうか。そして最大の特徴はやはり目立つ赤く太い唇だ。この唇は性的なアピールのためとの説もある。ガラパゴス諸島は特異な生態系が多く、"生きた博物館と進化のショーケース"と称され、動物の外部への移動は禁止されている。このため、レッドリップド・バットフィッシュは、世界のどの水族館でも展示されていない貴重な魚だ。
レッドリップド・バットフィッシュの造形は、赤い唇や疑似餌と両眼を持つ大きな頭部、胸鰭と腹鰭を立てて歩行する姿、そしてアンコウらしい丸みを帯びた形がポイント。大変ユニークな形なので、作陶中もしばしば試行錯誤。こんな変な魚を生み出したガラパゴス諸島とはどの様なところだろうかと思いを馳る。【2021年制作】



