ワニ - 邪悪で神聖な動物

 ワニ(鰐)は、肉食性で水中生活に適応した爬虫類の総称で、ワニ目に属する。現在のワニは、恐竜絶滅後も環境変化に耐えた古代生物の生き残りと言われている。現存する爬虫類では最大級で、全長7m、体重1tにも及ぶ。熱帯から亜熱帯にかけて、主に淡水域に棲息。形態的な特徴は、扁平な体、側方に付き出した四肢、強靭な尾、背中を覆う鱗板骨等、トカゲ等の小さな爬虫類と比較すると骨太で大きく逞しい。気性は激しく、主に魚や鳥を餌とするが、時にはライオンやシマウマなどの大型哺乳類を襲うこともある。その一方、古代から世界各地で神話の主人公にもなっている。日本でも神話"因幡の白兎"に登場するが、これが日本にいないワニなのか、それともサメなのか意見が別れている。日本ではワニは専ら水族館でお目にかかれ、のんびりと日向ぼっこをしている姿を目撃する。野生と飼育環境では性格も変わりそう。

 ここではワニの特徴である鋭い口、動物を飲み込む大きな胴体、ガッチリした四肢と尾を実現すべく作陶した。それらしい形にはなったが、野生の凶暴さは感じられない。どうも知らず知らずのうちに熱川温泉のバナナワニ園で見たワニをモデルにしたようだ。【2020年制作】