ダンゴイカ - 小さくてもイカ

 ダンゴイカは北海道南部から熱帯地方の海域の浅い砂場に生息する体長2cm位のイカで、小さくで丸いぼたもちのような形をしていて可愛い。昼間は泳ぎが遅いので、外敵に襲われないよう海底の砂に潜って過ごす。夜に砂地に出て甲殻類を漁る。外敵に襲われると腕を広げ墨を吐く。小さなイカでも一人前だ。ところで、ダンゴイカには仲間が多い。古代生物群が消滅した頃から小さなイカ類は分化が進み、分類学的には未だ研究途上なのかもしれない。模様や色の変化とか、発光するとか、可愛くて変なダンゴイカも多数。

 作陶に当たっては、ぼたもちのような丸みと、とぼけた目つきで愛らしさを表現。体表面の模様は環境や感情で変化しそうなので、部分的に発光しているようなイメージにした。実物は水族館でも見たことがないので、昔の画家が竜を描いたような感覚だ。【2022年制作】