カレイ - 物静かな海底魚

 カレイ(鰈)はカレイ目カレイ科の魚で、世界中の浅い海から水深1000mの深海までに生息する海水魚。目が体の右側の面に2つともある特徴的な形態をしている。両目を上に出して海底の底砂に隠れて、小魚や小さな虫などの獲物を捉える。体の上面は黒褐色から褐色で、特有の斑点を持つものもある。体表にたくさん散らばっている色素細胞である黒色素胞の大きさを変え、周囲の環境に合わせて色や模様を変え保護色となる。良く似たカレイ目ヒラメ科のヒラメは、2つの目が左側のにあり、大きな口と鋭い歯で小魚や甲殻類を捕食する。かなり凶暴そう。しかし、市場ではヒラメが高級魚になっている。日本料理のしきたりでは、魚は出す時に頭を左にして置く習慣があるので、ヒラメが好まれたようだ。可哀想なカレイ、沢山食べて応援したい。

 砂底に隠れたカレイでは絵にならないので、鰭を波打たせて泳いでいる様子と、体表の模様の変化をイメージして作陶した。平べったい魚だが、部分的に高くしたり低くしたりしたが、泳いでいるようには見えただろうか?【2023年制作】