ムツゴロウ - 干潟の千両役者
ムツゴロウ(鯥五郎、学名 Boleophthalmus pectinirostris)はハゼ科の魚で、干潟で生活する。東アジアに分布し、日本では有明海や八代海に棲息。体色は褐色から暗緑色で、全身に白か青の斑点がある。肺呼吸の他に、皮膚と口の中に溜めた水でも呼吸ができるので、干潟の上でも生活できる。両目は頭の上に突き出していて、周囲を広く見渡せる。縄張りに侵入する相手には背鰭を立てて威嚇し、初夏の求愛時にはオスはぴょんぴょん飛び跳ねる。この様なひょうきんな姿がムツゴロウのイメージだ。かつての生息地のひとつであった諫早湾は干拓事業により干潟が消失し、ムツゴロウも絶滅したらしい。一方で、保護対策により近くの六角川河口域では保護事業の効果があったようだ。18年も続いた裁判は堰の閉門で2022年に決着した。治水問題はなくなったようだが、漁業には厳しい結果になった。ムツゴロウも大変な目にあったが、どうか生き延びてほしい。
ムツゴロウの威嚇のポーズを作りたい。先ず背鰭を立て、口を大開きにする。更に飛びかかるように空中に浮いていれば満点が、そこまでは無理。怒ったムツゴロウの姿にしては、少し可愛すぎた。【2019年制作】


