ウーパルーパー - 過酷な運命
ウーパルーパーはトラフサンショウウオ科の両生類。かつてはメキシコの湖で暮らしていたが、埋め立てにより生息地は消滅。別名のアホロートルは幼形成熟個体を指す名称で、これは動物が大人になっても未熟な子供の姿を残すこと。ウーパルーパーの場合は、幼生期にある鰓が成長しても残る。成体では呼吸は鰓と肺の二刀流だが、鰓呼吸がメイン。この体からはみ出した立派な鰓がウーパルーパーのシンボル。体色は原種のメキシコサンショウウオは黒っぽい色だが、生息環境や交配により多種多様だが、白い系統が一般的。古代アステカでは神話にも登場するウーパルーパーだが、現在は世界各地で主に観賞用として生き残っている。なかなか過酷な運命だ。
作陶にあたっては、大きな頭とつぶらな瞳、そして立髪のような鰓がポイント。澄んだ水の輝きを身にまといながら、水底を這うように泳ぐ。構図はまあまあかと思ったが、釉薬付けのときにぶつけてしまい胴体が真っ二つ。焼成後、接着剤で外科手術して何とかつなげた。焼成が終わるまで気が抜けない。【2020年制作】


