シーラカンス - 生きた化石魚

 シーラカンス(学名:Coelacanthiformes)は白亜紀を最後に化石が途絶え、1938年まで現生種が確認されなかった。化石種と現生種の形態的な差異が殆ほとんど無かったので、現生種は「生きた化石」と呼ばれている。アフリカとインドネシアで見つかった現生種は、魚やイカを捕食できる深海の環境に大きな変化がなかったため生き残ったと言われている。シーラカンスの外観上の特徴は、8つのひれを持ち、第2背びれ、胸びれ、腹びれ、尻びれには鱗で覆われた筋肉質の基部がある。現在の一般的な魚と比べると、ヒレが大きく頑丈だ。これらのひれを使いながら、歩くように泳いでいたらしい。また、硬い背骨はなく、体表面は硬い鱗で覆われているのも特異点だ。

 作陶上の留意点はひれの存在を強調するため、ひれの肉質部を立派に作ること。また体表面の鱗は粗い四角形にして、如何にも硬そうなイメージにした。しかし、写真や博物館で見たシーラカンスとは何か少し違う。バランスが悪い。胴回りが大き過ぎ、まるで丸々と太ったコイのようになってしまった。見慣れない対象には、事前のイメージづくりが必要だ。【2019年制作】